IPFの慢性咳嗽、nalbuphine徐放剤が有望/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/06

 

 特発性肺線維症(IPF)関連の慢性咳嗽患者に対する、κオピオイド受容体作動薬/μオピオイド受容体拮抗薬であるnalbuphine徐放剤(ER)の投与は、27mg、54mgおよび108mgの3つの用量すべてで、プラセボ群と比較し6週時の咳嗽頻度を有意に減少し、2つの高用量では患者報告による咳嗽頻度も有意に改善した。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのPhilip L. Molyneaux氏らが、10ヵ国52施設で実施した第IIb相無作為化二重盲検プラセボ対照用量設定試験「CORAL試験」の結果を報告した。IPF患者では、咳嗽は生活の質を低下させるため、IPFに伴う咳嗽に対する有効な治療が求められている。JAMA誌オンライン版2026年1月22日号掲載の報告。

nalbuphine ERの有効性を27mg、54mg、108mgの3用量でプラセボと比較

 CORAL試験の対象は、IPFと診断され、スクリーニング前8週間以上続く慢性咳嗽を有し、咳嗽重症度数値評価尺度スコア(0:咳なし~10:最悪の咳嗽)が4以上、FVCが正常予測値の40%以上、一酸化炭素肺拡散能が正常予測値の25%以上、パルスオキシメーターによる酸素飽和度が92%以上の患者であった。

 研究グループは、対象患者をnalbuphine ER 27mg群、54mg群、108mg群、またはプラセボ群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、1日2回6週間経口投与した。

 主要アウトカムは、6週時における24時間咳嗽頻度のベースラインからの変化率(デジタル咳モニターで測定)。重要な副次アウトカムは、6週時の患者報告による咳嗽頻度(IPF呼吸器症状評価の咳サブスケールスコア[範囲:0~4、低スコアほど咳嗽頻度が少ないことを示す])のベースラインからの変化であった。

 2024年2月~2025年2月に、223例がスクリーニングされ、165例が無作為化された(nalbuphine ER 27mg群42例、54mg群43例、108mg群40例、プラセボ群40例)。最終追跡調査は2025年4月に行われた。

6週時の咳嗽頻度の減少率は3用量群それぞれ47.9%、53.4%、60.2%、プラセボ群16.9%

 無作為化された165例のうち、ベースラインの咳嗽頻度の測定値がない5例を除く160例が、主要解析に組み入れられた。患者背景は年齢中央値71歳(範囲:51~85)、女性が28.5%で、ベースラインの咳嗽頻度(平均値±SD)は28.3±27.4回/時であった。

 6週時の24時間咳嗽頻度のベースラインからの変化率は、nalbuphine ER 27mg群-47.9%(24.6回/時から11.9回/時)、54mg群-53.4%(28.0回/時から14.9回/時)、108mg群-60.2%(31.5回/時から11.9回/時)、およびプラセボ群-16.9%(29.4回/時から28.1回/時)であり、プラセボ群と比較してnalbuphine ERの3用量群ともに有意に減少した(27mg群はp=0.008、54mg群および108mg群はいずれもp<0.001、対プラセボ群)。

 重要な副次アウトカムである6週時の患者報告による咳嗽頻度の変化率(絶対変化)は、3用量群がそれぞれ-31.4%(2.3から1.5、対プラセボ群のp=0.14)、-40.6%(2.6から1.4、p=0.004)、-40.2%(2.4から1.4、p=0.005)、プラセボ群が-21.9%(2.6から1.9)であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)